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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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学歴分断線

 しかし,これはあくまで人びとの心のなかでの学歴社会の見渡し方のしくみです。社会調査のデータによって現代社会を鳥瞰したときに,いちばんくっきりとした学歴の分断線がどこにあるかという関心とは異なります。社会全体を客観的にみる場合の大きな論点は,東大と京大の間,早稲田と慶應の間,関西学院大学と関西大学の間,新潟大学と富山大学の間,大東文化大学と亜細亜大学の間などにある学校歴の細かな差を考えることにはありません。それは世の中の半数を占める高卒層にとってはどうでもいいことなのです。
 そこで,大学名を見極めるという大卒層特有の関心事から離れ,社会的に最も意味の大きい学歴の境界線を考えるならば,やはりそれは,大半の現代日本人が18歳の春に通過する学歴分断線に他ならないということになるのです。

吉川 徹 (2009). 学歴分断社会 筑摩書房 pp.45-46
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