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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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因果関係は?

 うつ病とがんとの関係について調査した結果を紹介しよう。1969年から93年までの間に,うつ病で入院した方がデンマーク全体で8万9491名いた。そのうち9922名が,がんを発病した。しかし,がん発生率が増加した時期は,うつ病で入院してから1年以内だけであった。よく調べてみると,脳腫瘍が増えていたという。
 種明かしをしよう。抑うつ状態は,脳腫瘍の症状として起こることもある。それがポイントなのである。うつ病で入院して,詳しい検査をしたら脳腫瘍が診断された。そういう人がいたのである。つまり,うつ病が原因となって脳腫瘍が生じたのではなく,脳腫瘍のためにうつ病が現れた。そのような患者を取り除くと,うつ病で入院した方がたと,そうでない方がたとの間で,がん発生率は何の差もなかった。

辻 一郎 (2010). 病気になりやすい「性格」:5万人調査からの報告 朝日新聞出版 pp.123-124
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