現代のティーンは,ファストフードのような安い労働力を使う産業以外では役に立たない。実際,そういう業種はまさにその事実を利用することで拡大したんだ。他のほとんどの職業ではティーンはかえって足手まといになるだろう。でも,まだ監督なしで放っておけるほど成長しておらず,誰かが見ていなければならない。だとしたら,一番効率の良い方法は彼らを一箇所に閉じ込めておくことだ。そうすれば数人の大人が全員をみられる。
この説明だけを聞けば,誰だって,ああ刑務所の説明をしているんだなと思うだろう。違うのは,時間になったら帰してもらえるということだけだ。そして,多くの学校がまさに刑務所と化している。それが問題なのだ。学校の表向きの目的は子供を教育することだが,それをちゃんと行なわせるための圧力はどこからもかからない。だから多くの学校で行われている教育はひどいもので,子どもたちは真面目にそれを受けようとはしない。勉強のできる子供たちでさえもだ。ほとんどの時間,全員が,生徒も教師も,決まった動きを機械的に繰り返しているにすぎない。
Paul Graham 川合史朗(訳) (2005). ハッカーと画家:コンピュータ時代の創造者たち オーム社 pp.18
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