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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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軽蔑,妬み

 他のだれかが自分にないものをもっているとき,優越感を確保したいという自己愛人間の欲求は邪魔される。無意識の深部に,自分の優位を脅かす他者の脅威があらわれ,心のなかの風船が割れる。「危険発生!危険発生!」警報が鳴り響く。「制圧せよ!」恥のざわめきを黙らせるために,彼らはどんな手段を選ぶだろうか。
 答えは軽蔑だ。たとえば「だれそれは自分で思っているほど大物じゃないね」などという。その人がじっさいには謙虚で,まわりを不快にさせたことなどないとしても関係ない——これは恥の投げおろしと同類の歪曲で,現実に何の根拠もないだろう。
 そしてそのあとに,相手の欠点をあげつらったかなり卑劣な内容のリストが続く。その目的は,たいてい無意識のうちに,他者をおとしめ,自分が相対的に優位な立場に復帰することにある。彼らが自分の中の感情に気づいたとしても(もちろん,つねに正当化されて),ねたみは断固,否認される。ねたみを認めれば自分の劣位を認めることになりかねず,自己愛人間にそれはありえない。

サンディ・ホチキス 江口泰子(訳) (2009). 結局,自分のことしか考えない人たち:自己愛人間とどうつきあえばいいのか 草思社 pp.38-39
(Hotchkiss, S. (2002). Why is it always about you? New York: Free Press.)
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