忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

奇妙な一側面

 19世紀の上流社会では,占星術を信じる人が多く,毎日の惑星の位置がわかる暦が手軽に手に入った。また,子どもの出生日時は,医師や助産師が正確に報告するのではなく,前述のように親が口頭で戸籍課へ届ければよかった。ディーンは,わが子を人生の成功者にしようという親が,熱意のあまり,占星術で「幸先がよい」とされる日を出生日だと偽って届けたらしい例を発見したのである。そういう親は,こうした「天のお告げ」を実現させるためにわが子に必要な教育を与え,資力をつぎ込んだことだろう。つまり,ディーンの研究から,「火星効果とは占星術というより,社会史上の奇妙な一面を示したもの」と言うことができるのではないか。

リチャード・ワイズマン 殿村直子(訳) (2008). Qのしっぽはどっち向き?:3秒で人を見抜く心理学 日本放送出版協会 pp.52
PR

TRACKBACK

Trackback URL:

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]