嘘を言うときの特徴がわかれば,見抜くのはずいぶん簡単になる。目をきちんと見るか,手を振りまわすか,落ち着かない座り方をしているかは,関係がない。最も頼りになるのは,声と無意識のうちに選ぶ言葉だ。嘘をついているときは,重要なことをくわしくしゃべっていなかったり,間が長く,ためらいがちだったりする。また,自分に関係のある言葉を避け,感情描写が少なく,嘘と自分とのあいだに距離をおこうとする。正直な人が忘れたと認める情報を,妙にくわしく覚えているのも不自然だ。これらのコツに注意しながら,じっくりと耳を傾ければ,嘘のベールはすぐにはがれる。相手が考えていることや感じていることが急によく見えるようになり,世界はまったく違った場所になる。いや,これは嘘ではない。本当の話だ。
リチャード・ワイズマン 殿村直子(訳) (2008). Qのしっぽはどっち向き?:3秒で人を見抜く心理学 日本放送出版協会 pp.78-79
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