1958年の7月,WTTV4チャンネルを見た人びとは,「フランク・エドワーズを見なさい」と「ベーコンを買いなさい」というメッセージを浴びつづけた。実験まえ,フランク・エドワーズの平均視聴率は4.6パーセントだったが,2時間サブリミナルメッセージを流しつづけたあとは3パーセントに落ち込んだ。ベーコンを買いなさいというメッセージの効果も同じくぱっとしなかった。ジョン・フィグ社のベーコンは,放送まえはインディアナ州で週に6143個売れていたのが,6204個に増加したが,じつにささやかな差である。ようするに,サブリミナルメッセージは,ベーコンの購入にはほとんど影響がなく,あったとすれば,多くの人にフランク・エドワーズを見させなかったことぐらいで,サブリミナル攻撃の影響はたいしたことはなかった。
デフロアーとぺとらのふは,知らないうちに自分の行動や考えを操られることはないから。安心して眠ってよさそうだと結論を出した。
リチャード・ワイズマン 殿村直子(訳) (2008). Qのしっぽはどっち向き?:3秒で人を見抜く心理学 日本放送出版協会 pp.152
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