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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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道徳状態

 道徳状態はしばしば,外的事実の認識に翻訳される。昔は,結婚しているかどうかは予防接種を受けているかどうかに等しい判断材料となっていた。結婚は実質的に物理的な事実であり,駆け落ちによって内密に行われたものであっても,人の内面を変えるものであって,あらゆる犠牲を払っても実現されるべきものだった。同じように,処女は非処女とは違う種類の人間だった。今日では,動物を食べることが道徳的にまちがっているという認識は,肉に対する嫌悪となってあらわれるし,中絶の問題は,胎児が「本当に」人かどうか,などという議論となる。すでによく知られている胎児の性質をもっと研究すると,その「事実」の白黒がつくとでもいうように。

ジョージ・エインズリー 山形浩生(訳) (2006). 誘惑される意志:人はなぜ自滅的行動をするのか NHK出版株式会社 pp.163
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