忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

起業家はどちらが多い?

 しかし,発展途上国の出身者や,そこでしばらく暮らしたことがある者なら,そうした国々には起業家があふれてかえっていることを知っている。貧しい国々の通りでは,考えうるあらゆるものを売る老若男女がいる。むろん子供の売り子もいる。彼らはわたしたちが買えると思ったことがないものまで売っている。たとえば貧しい国の多くで売られているもののなかには,アメリカ大使館でのビザ申請の行列の順番(売り手はプロの並び屋),路上駐車の見張り(車を破損されないように),特定の街角での屋台設置権(売り手はたぶん腐敗した地元警察のボス),物乞いをする場所(売り手は地元の暴力団)なんてものまである。こうしたものはみな,人間の創意工夫,起業家精神が産み出した産物だ。
 これとは対照的に,富める国に住む人々の大半は,そもそも起業家になれるような状況にない。大半の者が会社員で,なかには数万人の従業員を雇っている者も,きわめて特殊な専門的職業についている者もいる。自分で事業を立ち上げて「ボスになる」ことを夢見たり,その夢を軽く口にしたりする者もいないわけではないが,それを実行に移す者はほとんどいない。難しいし,リスクをともなうからだ。したがって,富裕国のほとんどの人は,自分のではなく他人の起業家精神による創意工夫の上に乗っかって仕事をしているにすぎない。

ハジュン・チャン 田村源二(訳) (2010). 世界経済を破綻させる23の嘘 徳間書店 pp.215-216
PR

TRACKBACK

Trackback URL:

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]