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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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最低限の結果の平等

 両親が読み書きもできなかったり,長時間働かなければならなかったりすれば,子供たちは誰にも宿題を見てもらえない。中産階級の子供ならたぶん両親に見てもらえるだろうし,金持ちの子供なら家庭教師に見てもらえるだろう。そのうえ貧困層の子供たちは,弟や妹の面倒を見たりヤギの世話をしなければならなかったりして,宿題をする時間さえないこともある。
 そういうことなら,わたしたちは実際に行動を起こして,すべての子供が最低限の食事ができ,必要な医療をうけられ,宿題を見てもらえるような状況をつくらないといけない。社会政策でできることもたくさんあり,実際にそうしている国もある。たとえば,無料の給食,ワクチン接種,身体検査,教師や学校が雇った教官による放課後の宿題指導などが実施されている。ただ,家庭でやらなければならないこともたくさんある。学校には限られたことしかできない。
 ということはつまり,貧しい家庭の子供にもフェアなチャンスを与えるという理想に少しでも近づこうとするなら,両親の所得についても最低限の「結果の平等」を実現する必要があるということだ。そうしないと,いくら授業料や給食やワクチン接種などを無料化しても,子供にとって真の機会均等がなされたことにはならない。

ハジュン・チャン 田村源二(訳) (2010). 世界経済を破綻させる23の嘘 徳間書店 pp.291
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