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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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専門家の欺き

 専門家もまた自分自身を欺いている。大学教授にアンケートをとったところ,自分は平均より仕事ができると答えた割合は94パーセントにのぼった。社会学者198人を対象に,自分にどの程度の影響力があるかを尋ねたところ,最低でもひとつの専門科目で上位10人に入ると答えた割合が半数を占めた。引退後も自分の論文を読んでもらえると思うと答えた割合も半数以上にのぼった。ところが,同じ回答者が,比較的権威があるとされる全米社会学会の歴代の会長をほとんど知らなかった。専門家として永遠に記憶されるとの期待が,年齢が上がるにつれて現実的になっていくという証拠はない。

タイラー・コーエン 高遠裕子(訳) (2009). インセンティブ:自分と世界をうまく動かす 日経BP社 pp.162
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