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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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「自由にしろ」

 先日,私は地元の小学生のサッカーの試合を眺めていた。コーチは,グラウンドの外から子供達に向かって「早めにパスしろ」「右に動け」等,ずっと大声で叫んでいる。大人から細かく指示が出てきて,それに従わないと怒られるのだから,試合をやっている子供達も,自分で考えようとする意識がなくなってくる。
 ところが,試合の最後の方で,コーチは子供達に「もういい。お前達の自由にしろ。自分で考えて何とかしろ」と怒鳴った。「自由にしろ」と言われても,子供達は「自分達が何をしたいのか」とは考えない。「コーチが自分達に何をさせたいのか」ということを必死に考えている。その挙句,ますます自分の意志で動けなくなってしまう。「自分達で考えろ」「自由にしろ」と言いながら,いつまでたっても子供は自分の意志をもつようにはならない。サッカーに限らず,他のスポーツや習い事でも,大人が子供に接する態度に似たような傾向が見られる。

深田和範 (2010). マネジメント信仰が会社を滅ぼす 新潮社 pp.153
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