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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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人生と言えるもの

 家族がいたとき,生活を維持することは,それなりに意義があった。だが,ひとりになったいま,生活を維持するために仕事をするのは,意味がないのではないか。
 ぼくの命を維持するため,命を振り絞って小説を書く。無駄なことをするために,無駄な努力をするようなものだ。
 それなら,最初から仕事などしなければいいのではないか。
 10年まえ,20年まえ,仕事と生活と楽しみが噛み合っていた。それらをひっくるめたものが『人生』で,迷いなどまったくなかった。
 80歳になると,人生といえるものがなくなってしまった。
 もうそろそろ,“お開き”にしたほうがいいのではないか。
 そう考えるようになった。

木谷恭介 (2011). 死にたい老人 幻冬舎 pp.143
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