科学が進歩して様々な現象を解明していくほど,人々は科学で説明できないものの存在を信じたくなる。長期にわたるギャラップ社の定期世論調査では,超自然現象を信じる人の割合が年々増加していることを示している。
1978年のギャラップ調査では,「幽霊を信じる」と答えているのは回答者の11パーセント弱にすぎなかったが,しかし2005年の調査では,32パーセントまで跳ねあがっている。さらに多くの人(42パーセント)が悪魔の存在を信じている。懐疑的な超常現象調査組織CSICOP(超常現象の科学的調査のための委員会,現在はCSI)のホームページでは,当時の代表ポール・カーツが,この世論調査の結果に不安を覚えるとコメントしている。「心情的に回答しており,頭を使って考えたうえでの結果ではない」と,CSICOPの主任研究員はつけ加えている。
そう,私たちはよくできた怪談や幽霊の話が大好きだ。ずっと昔の話まで,古い歴史をさかのぼれる。
ステイシー・ホーン ナカイサヤカ(訳) 石川幹人(監修) (2011). 超常現象を科学にした男:J.B.ラインの挑戦 紀伊國屋書店 pp.251-252
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