そして,その「自分探し」にも,大きく分けると2通りのものがあると思う。
1つは,外向きな「自分探し」だ。海外へふらっと自分を見つめ直しに,1人で旅に出てしまうような行為が代表的だ。若者がバックパックを背負ってアジアを貧乏旅行することや,最近だと「外こもり」なども一類型だろう。もう少し身近な例で言えば,海外まで行かずとも国内でメッセージ性の強い団体にコミットメントするような具体的な行動を伴うものである。
もう1つは,やや内向きな「自分探し」である。就職活動中の学生が,自分がやりたいこととは何か?自分は何に向いているのか?などとこれまでは考えもしなかったことを考え出し,自問自答しながら自己啓発系の書籍を読み漁ってみたり,スピリチュアルに感心を持つようなケースが典型である。やりたいことが見つからず,フリーターとなって自分の将来をあれこれ考えるといった場合の自分探しもこちらのパターンだ。
速水健朗 (2008). 自分探しが止まらない ソフトバンク クリエイティブ pp.4
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