有効な手立ては見つからないものの,キャリアセンターが就職活動生の親との連携を求めているのは事実である。現状は保護者に対する「お願い」という形で,HPなどを通じ助力を仰いでいる。
お願いの1つは,過干渉にならないでくれ,決めつけ押しつけは慎んでくれ,というものだ。時代がまるで違うのに,ご自身が大学生だった頃のやり方でいいのだと思って疑わない親御さんは意外といるので,わざわざ当然のことを言わせてもらうのである。
2つ目は,望ましい接し方のアドバイス。子供の話の聞き役に回り,なるべく子供を否定せず,他の子供と比べず,とにかくその子と向き合ってくれ,というようなことだ。キャリアカウンセラーの基本姿勢を親に求めている。
3つ目は,親御さんが子供の就職状況をつかんでおいてください,とのお願い。キャリアセンターが就職状況を確認したくても,学生と連絡がつかないことがけっこうある。そんなとき,お世話になりますというわけだ。
他にもいろいろお願いしたいことはあるのだが,全就職活動生の親に共通して言うべきは少なく,教育機関としてどう接していいのかは難しい。
沢田健太 (2011). 大学キャリアセンターのぶっちゃけ話:知的現場主義の就職活動 ソフトバンク クリエイティブ pp.228-229
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