忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

相場の感覚は難しい

 いや,学生に限ったことではない。転職エージェントに相談にくる社会人とて,まったく同じ状況なのだ。転職エージェントにエントリーしてから転職が決定するまでには,大体,5か月ほどかかっている。そのうちの最初の2か月がまさに,「落ちて落ちて落ちまくる」ことにより,相場観が形成される時期に当たる。このときに,いくら「無理」「高望みはするな」「キャリア相応の企業を」とデータや心理的アプローチで説得を試みても,そのとおりに納得してくれる求職者は少なく,不合格を累々と積み上げることになる。
 もう少し詳しく書いておこう。一体,転職希望者たちがエージェントを通して転職を決めるまでに,どれくらいの不合格が生まれるか。その数は,不況期だと大体70本近くになる。好景気でも,決定1に対して,不合格は30本といった割合。そう,学生よりも社会を知り,企業のことも良くわかり,自分の実力さえわかっている社会人でさえ,こんな感じ。それも,熟練のキャリアアドバイザーが伴走しても,こうなのだ。
 市場相場に詳しくない駆け出しの大学付きキャリアカウンセラーが,学生らを説き伏せて,リードタイムを短くすることなど,可能性は0に等しいだろう。

海老原嗣生 (2011). 就職,絶望期:「若者はかわいそう」論の失敗 扶桑社 pp.78-79
PR

TRACKBACK

Trackback URL:

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]