結晶性知能に関する他の下位検査のうち,ここ何十年かで有意な伸びを見せているのが,理解テストだ。人が本当に賢くなったという主張を立てるのに最も頼りになるのが,このテストだと思う。驚くことに,いまの子供は,使っていないときに電気を消さなければならないのはなぜなのかを理解できるし,もう少し大きくなれば,なぜ税金を納めなければならないかも理解できる。スコアの伸びは極めて有意で,1世代30年あたり標準偏差の3分の1に相当する。
この伸びは何によるものだと考えるべきなのか?本当のところはわからないが,テレビが大きく関係しているのではないかと考えられる。子供は,<セサミストリート>のような教育番組や完全な娯楽番組を見て,世の中の仕組みについて多く学べるからだ。
リチャード・E・ニスベット 水谷 淳(訳) (2010). 頭のでき:決めるのは遺伝か,環境か ダイヤモンド社 pp. 67
(Nisbett, R. E. (2009). Intelligent and How to Get It. New York: W. W. Norton & Company)
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