忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

中流階級の子育て

 中流階級の親は労働者階級の親に比べ,子供に本を読んでやることが多い。中流階級の家には,子ども向けの本がたくさんある。頭を支えてもらって本を見られるようになる生後6ヵ月には,本を読んでもらうようになる。中流階級の親は,単に喜ばせるためだけではなく,本の内容と外の世界を結びつけられるように読んでやる。本に書いてあることを採り上げ,それを日常生活や世の中の物や出来事と結びつけようと,意識的に努力する。(「ビリーは黒い犬を飼っています。黒い犬を飼っている人を知ってる?」「あれは小鳥。小鳥のことをどの本で読んだっけ?小鳥は何を食べるんだっけ?」)親はまた,読んだことを分析するよう促す。(「次に何が起こる?この人は何をしたいの?どうしてそうしたいの?」)
 中流階級の子供はかなり幼いうちから,本について質問をしてもらい,それに答える方法を身につける。親は子供に,物の属性を尋ね,属性に応じて物を分類する方法を教える。(私があるとき飛行機に乗ったところ,3歳の子供とその父親の後ろの席になった。父親は絵本を手に取り,子供に,いろいろなものが長いか短いかを質問した。「ジェイソン,違うよ。パジャマは長いんだ」)中流階級の親は,何であるかを尋ねる質問をして(「あれは何?」「ボビーは何をやろうとした?」),続いてなぜかを質問し(「なぜボビーはそれをやったんだろうか?」),その後で評価をさせる(「どっちの兵隊が好き?」「なぜソッチのほうが好き?」)。また,本に何が書かれていたかを語らせ,それをきっかけに話をつくらせたりもする。

リチャード・E・ニスベット 水谷 淳(訳) (2010). 頭のでき:決めるのは遺伝か,環境か ダイヤモンド社 pp. 110-111
(Nisbett, R. E. (2009). Intelligent and How to Get It. New York: W. W. Norton & Company)
PR

TRACKBACK

Trackback URL:

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]