忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

労働者階級の場合

 労働者階級の子供も読んだことについて質問されるが,本の内容と外の世界を結びつけることにはあまり努力が払われない。本にアヒルの子の絵が出ていれば,母親は子供に池で見たアヒルを覚えているか尋ねるだろうが,そのとき,本に出ている黄色いふわふわしたアヒルの子と池にいたおとなのアヒルとの関係は説明しないかもしれない。3歳頃を過ぎると,読み手との会話のやりとりは奨励されず,解説や質問は邪魔だと見なされる。(フィラデルフィアでおこなわれたある研究で,社会階級による読み書き能力の差を端的に表している事実とその原因が示されている。成人のほとんどが大学教育を受けている地域では,書店に並んでいる児童書の数は子供100人あたり1300冊だった。一方,ブルーカラーのアイルランド人や東ヨーロッパ人の地域では,子供100人あたりわずか30冊だった。社会階級による読み書き能力の差をこれほどまでありのままに示した数値は,他にほとんどないだろう。)

リチャード・E・ニスベット 水谷 淳(訳) (2010). 頭のでき:決めるのは遺伝か,環境か ダイヤモンド社 pp. 112
(Nisbett, R. E. (2009). Intelligent and How to Get It. New York: W. W. Norton & Company)
PR

TRACKBACK

Trackback URL:

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]