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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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モンスター

 単一の視点をもつということは,モンスターになるということだ。ハリウッドはこの点をよく心得ている。ハリウッド映画に登場する悪役のロボットやサイボーグは,ほぼ例外なく片目しかない。ターミネーターが負傷して皮膚がはがれるとき,観客の視線はむき出しになったロボットの目に釘付けになる。『スタートレック』に登場するボーグはいつも片目を隠している。ロボコップは,ヘルメットをかぶっており,黒く細長い1枚のレンズ越しにものを見る。ロボコップは正義の味方だが,見ていて恐ろしくなるくらい非情で,容赦なく敵を殺す。彼が思いやりのある人間となるのは,ヘルメットを脱いで,2つの目(もちろん人間の)があらわになるときだけだ。人間と機械の融合体であるサイボーグの混成性は,単一的な視点を民衆に押しつけない政治を象徴する。アメリカ聾者協会が2000年に発表した人工内耳の有効性を認める声明は,人間と機械の融合ならびに言語の多様性を受け入れたという点で,文字どおりサイボーグ政治のひとつの結晶だった。

マイケル・コロスト 椿 正晴(訳) (2006). サイボーグとして生きる ソフトバンク クリエイティブ pp.231
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