次のページに,面白いグラフがある。これは,年収のレベル(ヨコ軸)と,既婚か独身か(タテ軸)で切ってみて,それぞれの面積の広さで人数の比率が一目でわかるという便利場グラフである。ここでは,30〜34歳の男性のデータを拾ってみた。
右の端のほうには,600万円以上,800万円以上の高年収,さらには右端にはわずかながら1000万円以上の人たちもたしかに存在する。ここまでは想像どおりであろう。
が,既婚か独身かで既婚に色を着けてみると,右のほうはほとんどが既婚となっていることもわかる。1000万円以上の人たちで見ると(そもそも30代前半で年収1000万円を稼ぐ人は少ないので0.7%しかいないが),その8割はすでに結婚しているのである。
なので,30代前半で1000万円以上稼ぎ尚且独身である男性は,
0.7×0.2=0.14%しか残っていないのだ。
30〜34歳の独身男性は数字としては大勢いる。が,実はそれは200〜400万円,あるいは200万円以下のゾーンに偏って存在しているのだ。
この方たちは残念ながら,女性がよく言う結婚相手としての「普通」ではないのかもしれない。しかし,人数のボリュームで言うと,むしろ過半数,すなわち「普通」なのである。
こうなると,これら「普通」の男性は入り口段階で結婚の対象から外されてしまう人が多くなる。
西口 敦 (2011). 普通のダンナがなぜ見つからない? 文藝春秋 pp.26-27
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