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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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農業→階級社会

 農業がはじまる前,国家は存在しなかった。狩猟採集民の大部分は平等主義のアナーキストだ。彼らには,長もボスもいなかったし,ボスになりたがる人間をあまり相手にしなかった。ブッシュマンは今日でも,トップに立ちたがる者を笑いとばす。私たちは彼らから学ぶべきなのかもしれない。
 しかし,農民には長がいる。農業には領土が不可欠だからだ。穀物をつくる農民は食物を貯蔵するので,彼らは盗む価値のあるものをもつことになる。狩猟採集民にはなかったことだ。支配階級,すなわち,他人の生産的仕事を生活の糧にしている者たちが登場するようになるのは,農業社会が生まれてからだ。なぜなら,農業社会ではそういう者たちが存在できるからである。興味深いことに,ヤムイモなどを栽培している民族の中には,支配階級が成長しにくい場合があるようだ。そうした根菜は掘り上げてしまうとすぐに腐ってしまうので,盗みの対象となりにくいためだ。さらに,非常に強大な初期国家ではしばしば,「市民」が収税吏から逃れるのを難しくする天然の障壁があった。エジプトはその最たるもので,非常に肥よくな土地は居住不可能な砂漠に囲まれていたのである。

グレゴリー・コクラン,ヘンリー・ハーペンディング 古川奈々子(訳) (2010). 一万年の進化爆発:文明が進化を加速した 日経BP社 pp.132
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