これまでの研究では,親がモニタリングを怠ると,年ごろの子どもは犯罪や薬物使用,学業不振,避妊をしないセックスなど,さまざまなリスク行動に結びついていくことが一貫して明らかにされている。
Stattin & Kerr(1999)は,自らの実証的な研究に基づいて,それらは,親のモニタリングよりもむしろ若者の自己開示のいかんこそが問題行動に結びつく重要な変数であると提言する。つまり,それまでは親のモニタリングは,いつ何時でも年ごろの子どもの居場所を親が把握していたかどうかによって評価されてきた。しかしながら,Sttatinらは,10代が自分のしていることを開示する場合にのみ親が10代の行方を知っていることを示した。モニタリングと監督は青年の活動に関する多くの情報を得ようとして親が率先して行うものではなく,むしろ若者から親へと向かって流れるコミュニケーションによる機能なのである。
J.コールマン & L.ヘンドリー 白井利明ほか訳 (2003). 青年期の本質 ミネルヴァ書房
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