1960年代,地球外知的生命体(ETI)を探索するというアイデアは,潜在的には天文学的観測の新技法がたくさん使えたものの,まだ新奇なものだった。ロシアの天文物理学者ニコライ・カルディシェフは,進んだETIを,そのテクノロジーの能力に応じて,タイプI,タイプII,タイプIIIの3つに分類することを唱えた。この文明の段階は,おおまかに言うと,次のように分かれる。
タイプI 惑星を造りかえたり惑星環境を変えたりすることができる。今の地球文明が用いているのと同じエネルギーを通信に用いることができる。
タイプII 太陽系を造りかえることができる。今の太陽と同等のエネルギーを恒星間通信に用いることができる。
タイプIII 銀河を造りかえることができる。我々の知っている法則を用いて観測可能な宇宙全体にわたって信号を送ることができる。今の天の川銀河と同等のエネルギーを,恒星間通信に用いることができる。
ジョン・D・バロウ 松浦俊輔(訳) (2000). 科学にわからないことがある理由 青土社 pp.215-216
(Barrow, J. D. (1998). Impossibility: The limits of science and the science of limits. Oxford: Oxford University Press.)
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