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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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試験の限界

 どうも試験というものには,その効果に一定の限界があるらしい。あまりに競争が激しくなってくると,もう厳密に答案の出来不出来の差等をつけることができなくなり,合格してもまぐれあたり,落ちるのは不運ということになって,そこに不正のつけこむ隙もでてくるのである。しかしながら,ほかに適当な方法がないとすれば,できるだけこれを公正に行なうように努力しながら守りたてて行くよりほかに道はない。中国歴代の政府は,少なくも天子自身はあくまで試験の公正を守り通したかったのである。そして世間の方でもとやかく非難しながらも,科挙に多大の関心を示し,社交界第一の話題に取りあげたのは,天子の公正な態度に一縷の期待を寄せていたためにほかならないのである。

宮崎市定 (1963). 科挙:中国の試験地獄 中央公論社 pp.197-198
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