本書の出版と同時期に,過去最大規模の自己愛性人格障害調査の結果が発表された。アメリカ国立衛生研究所は,全米から選んだサンプル3万5000人あまりを対象に自己愛性人格障害の症状がこれまでに現れたことがあるかどうかを質問した(症状についてのみ質問し,障害の名称は伏せた)。その結果,アメリカ人の6.2パーセント,つまり16人に1人に自己愛性人格障害に罹患した経験があることがわかった。さらに驚いたことに,65歳以上の人では3.2パーセントだったのに対し,20代は9.4パーセント(若い男性はなんと11.5パーセント)が自己愛性人格障害を経験していた。つまり20代は約10人に1人,65歳以上では30人に1人ということになる。
ジーン・M・ドゥエンギ/W・キース・キャンベル (2011). 自己愛過剰社会 河出書房新社 pp.47
(Twenge, J. M., & Campbell, W. K. (2009). The Narcissism Epidemic: Living in the Age of Entitlement. New York: Free Press.)
引用者注:Stinton, F. S. et al. (2008). Prevalence, correlates, disability, and comorbidity of DSM-IV Narcissistic Personality Disorder: Results from the Wave 2 National Epidemic Survey on Alcohol and Related Conditions. Journal of Clinical Psychiatry, 69, 1033-1045.
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