今日ほど子供の欲求が最優先されている時代はない。親は,自分では答えられないほど幼い子供が相手でも,始終子供におうかがいを立てる(「夕食は何を食べたい?」「おばあちゃんとお話ししたい?」「公園に行きたい?」)あるとき飛行機のなかで,就学前くらいの男の子が楽しそうにDVDを見ていた。母親が自分のヘッドフォンをつなぐと,その子はヘッドフォンを取り上げて「ダメ,ママは見ちゃいけないの」とわめいた。そのときの母親の対応は呆気にとられるようなものだった。3歳の子供に「ごめんなさいね」と言ったのだ。
ジーン・M・ドゥエンギ/W・キース・キャンベル (2011). 自己愛過剰社会 河出書房新社 pp.89-90
(Twenge, J. M., & Campbell, W. K. (2009). The Narcissism Epidemic: Living in the Age of Entitlement. New York: Free Press.)
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