最近の学生は特別扱いされて当然だと思っているという大学教授の不満をよく耳にする。2007年に,ハーヴァード大学の教授がこんな話をしていた。20年前は「病気で試験を受けられなかったごくわずかな学生は……非常に悔やみ,追試を受けさせてもらえただけで感謝していたものだ。最近は,ほかに用事があるなら試験を欠席してもかまわないし,追試の日は自分で決められると思っている」。まるでAの成績は実力でもらうものではなく当然与えられるものであるかのように,「この講座はAでないと駄目なんです」と言う学生もいれば,授業料を納めているのだからよい成績が取れるものと思っていて,教職員に「あたしのために仕事してるんですよね」とまで言う学生もいる。特権意識がとくに強い学生は,「Aをくれるまで先生の部屋を動きません」などとごねれば成績が上がると思い込んでいる。
ジーン・M・ドゥエンギ/W・キース・キャンベル (2011). 自己愛過剰社会 河出書房新社 pp.277
(Twenge, J. M., & Campbell, W. K. (2009). The Narcissism Epidemic: Living in the Age of Entitlement. New York: Free Press.)
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