北欧文化の伝統が変わったことは,わずかな数の学校銃乱射事件に表れただけではない。最近のある研究は,ノルウェーの主要な全国紙に現れる言葉を調査した。1984年から2005年までのあいだに,「共同/共通/共有」「義務/責任」「平等」といった集団志向の言葉は使用頻度が下がり,「私」「選択の自由」「権利/特権」といった個人主義を表わす言葉の使用頻度が上がった。かつては集団の重要性を重んじていた社会にまでナルシシズムの言語が広がっているのだ。この調査を実施した研究者らが説明しているとおり,この結果は文化が極端な個人主義へ向かって動いている確かな兆候である。
ジーン・M・ドゥエンギ/W・キース・キャンベル (2011). 自己愛過剰社会 河出書房新社 pp.314
(Twenge, J. M., & Campbell, W. K. (2009). The Narcissism Epidemic: Living in the Age of Entitlement. New York: Free Press.)
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