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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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実際の上昇

 貨幣錯覚もまた,住宅がすばらしい投資だという印象の一部を構成しているようだ。われわれは,はるか昔の住宅購入価格を聞かされる。人々は,それが50年前のことでも,自分が家をいくらで買ったか忘れない。だが,それをはるか昔のほかのものの値段と比べたりはしない。だから今日でも「第二次世界大戦から帰還したとき,この家を1万2000ドルで買ったんだ」などという発言が聞かれる。これを聞くと家を買ってすさまじく儲かったような印象を受ける——だが当時に比べると,消費者物価そのものが10倍にもなっているのだ。この間の住宅価値は,実質では倍増したくらいかもしれない。つまりは年率1.5%ほどの価格上昇でしかない。

ジョージ・A・アカロフ/ロバート・J・シラー 山形浩生(訳) (2009). アニマルスピリット 東洋経済新報社 pp.230
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