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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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別の悪影響

 産業革命の時代のイングランドでは粒子状物質による汚染がひどく,死者も出ていた。1952年のロンドンの「グレート・スモッグ」はよく知られている。そこで汚染を緩和するために徹底した対策をとり,もっと高い煙突を使って汚染物質を拡散させるとともに,火力発電所には集塵装置(スクラバー)を設置した。ところが,その後の科学研究によって,大気汚染の原因になっていた塵が酸を中和する働きもしていたことが明らかになった。その塵を取り除いたことで,残った汚染物質の酸性度が高くなってしまった。また,粒子状物質はかなり早く地上に戻る傾向があった。そのため,高層煙突によって近隣の汚染は減少したが,広域の汚染は増加した。地元の煤煙が広域的な酸性雨に変化したのだ。

ナオミ・オレスケス,エリック・M・コンウェイ (2011). 世界を騙し続ける科学者たち(上) 楽工社 pp.140
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