「アメリカは党員だらけで驚かされる」という感想をもらすひともいる。ある程度親しくなるとパーティなどで「わたし,民主党員なんです」といわれることがあるからだろう。こうした感想は,政治的にとても熱心でないかぎり政党の党員になることがない,日本の党員のイメージをあてはめたものだろう。「デモクラットです」「リパブリカンです」は状況によっては訳出が難しい。厳密には,民主党登録者,共和党登録者ということだが,個別の選挙で民主党や共和党に入れることがあっても,あえて「インディペンデント(無党派)」と答える人もいる。選挙登録やここ最近の投票行動のことだけでなく,全体としての支持表明のニュアンスもふくまれているから,文脈によっては「民主党支持」「共和党支持」程度にしておいたほうが,日本人にはわかりやすいことがある。
渡辺将人 (2008). 見えないアメリカ---保守とリベラルのあいだ 講談社 p.175-176.
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