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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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良いのか悪いのか

 実際には情報発信をする人の恣意的な表現選択が行われます。たとえば前頭葉が大事な部分であると信じている人にとって,ゲームをしているときに前頭葉が活動していなければ,これは前頭葉が活性化していない,だから悪いのだという主張につながるわけです。でも,将棋の羽生善治さんが将棋を指しているときに前頭葉があまり活動していなくても,このようなときには「活性化していない」という表現は使いません。単に前頭葉が活動していないと中立的な表現を保ち,前頭葉が活動していなくてもこんなにすごい「神の手」を指せるのだ,というお話ができてしまうのです。ここではその人の主張したい内容に応じて表現を変え,聞いた人の印象を変えてしまうという操作が加えられているのです。

坂井克之 (2009). 脳科学の真実:脳研究者は何を考えているか 河出書房新社 pp.146
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