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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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一面の継承

 問題はその先であり,オールポートは科学的・分析的方法以外にも臨床的診断の意義を重視しているのに対して,アイゼンクのような純粋化学主義者はそうした了解的方法の価値を認めない。彼は,マンセルの色票系の例を引いて,人間は三百万にもおよぶさまざまな色の個性を識別しうるけれども,それらは明度・彩度・色調という色の3次元上での変量の組み合わせとして表現しうるという。必要なのは,パーソナリティの次元分析と各次元上での計測であり,オールポートのいうような絶対的な意味での個性や独自性,ひいては個人的頚性などを仮定する必要はなくなる。現在の科学的パーソナリティ研究は,おおむねその方向に志向しつつあり,オールポートの一面のみを継承しているといえよう。

藤永 保 (1991). 思想と人格:人格心理学への途 筑摩書房 pp.41-42
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