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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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相対的知能観というアイデア

 近代の心理学は一時根強い本能論に支配されていた時代があったのだが,これは人間と動物との連続性を主張し,したがって人間にも本能,動物にも知能を認めるダーウィンの影響——直接的にはH.スペンサーの影響を受けたためであると考えられる。このように,当時の人文系諸科学一般に進化論の影響は大きかったのだが,ことの性質上発達研究の領域ではことさら深いものがあった。たとえば,ビネーが知能テスト作製に成功した理由の1つは,それまでのF.ゴールトンその他のように,知能の絶対値を直接計測しようとする企てを捨てて,年齢が増すほど課題解決能力ひいては知能も比例して高まっていくという相対的な知能観を採用したところにある。

藤永 保 (1991). 思想と人格:人格心理学への途 筑摩書房 pp.58-59
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