アポロ陰謀論を信じている人々に共通の特徴なのだが,ごく初歩の宇宙開発の知識もまったく持ち合わせていない。そのため,何も矛盾がない話に,ありもしない矛盾を勝手に見つけて疑い出すことになる。
いい例が「なぜアポロ11号以来,アメリカは月に行かないのか?」というものである。これはネット上の掲示板や質問箱などで,もう何年も質問と回答のループが繰り返されている疑問だ。この疑問,実は疑問そのものが間違っている。アポロ計画で月面着陸したのは11号だけではない。11号,12合,14号,15号,16号,17号の6回の着陸が行われた。つまりこの疑問に対する回答は「11号以降もアポロ計画は続いていた」である。この程度のこのは一般向けの図鑑にも書かれているし,ネットで検索すれば数十秒で手に入る知識である。しかし現状では,残念ながら「アポロ 月着陸」で検索するとたいてい陰謀論が引っかかってくる。
ASIOS・奥菜秀次・水野俊平 (2011). 検証 陰謀論はどこまで真実か パーセントで判定 文芸社 pp.240-241
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