忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

カオス理論の誤解

 カオス理論を,「些細な原因が大きな結果を生むことがある」という皆が持っている知恵と一緒にしてしまうことから来る混乱もよく見られる。「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら」という話や,釘が1本足りなかったために大帝国が滅びたというような部類の話である。カオス理論が歴史や社会に「応用された」という話もよく耳にする。しかし,人間の社会というのは莫大な数の変数が絡み合った複雑きわまりない系で,それについていかなる意味のある方程式を書くことも(少なくとも今のところは)できない。そのような系でカオスを持ちだしてきたところで,クレオパトラの花についての古くからの知恵とさほど変わるところはないのだ。


アラン・ソーカル,ジャン・ブリクモン(著) (2000). 「知」の欺瞞 岩波書店 p.194.
PR

TRACKBACK

Trackback URL:

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]