この『思考は現実化する』を読むと,種々の「もどき本」のタネ本になっていることがわかる。メンターからの教え,目標の明確化,期限化,それを紙に書く,潜在意識,脳力,引き寄せ,などなどがそれで,「なーんだ。日本の多くのもどき作家たちはみんなこれを読んでパクっているのか」とわかって興ざめである。ちなみにこの本の原題は「Think and Grow Rich 考えて金持ちになる」である。たしかに「成功」を目指してはいるが,そのための方法は基本的に現実的かつ堅実で,普遍的かつ本質的な人間になることの重要性が強調されている。そのことが,この本が一定の価値を持っていることの理由である。