銀行のいうことなどまったく当てにならない。いったい赤の他人である銀行が,どんな良心や思いやりや人助けから,赤の他人であるあなたの資産を増やしてあげましょうか,というのだろう(そんな銀行マンがいてほしいものだが)。ありうるはうがない。自分たちの成績アップのために決まっているのである。セミナーで高額配当をブチ上げる詐欺師,英会話勧誘,絵画販売も同様。だれもあなたの資産を増やし,英会話がうまくなってほしいと願い,絵画で心が豊かになってほしいなんて思っている人間はいないのである。
ビジネス書「もどき」の著者たちもおなじであろう。本書の冒頭で,なぜビジネス書を読むのか?と問うた。おなじように今度は,なぜ成功者たちはビジネス書「もどき」を書くのか?と問うべきである。実際,かれらはなんの用があって,「もどき本」を書くのだろうか。あなたに「成功」してもらいたい,「金持ち」になってもらいたい,「脳力」がアップしてほしい,なんて思うわけがないのである。
勢古浩爾 (2010). ビジネス書大バカ事典 三五館 pp.285
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