忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ジョン・ロックの教育論

 古典主義時代のあと初めて水に浸かるという恐ろしい行為を薦めたもののひとつが,ジョン・ロックがある少年を育てるために1693年に書いた『教育に関する考察』という論文だ。そのなかでロックは,その子の足を毎日冷たい水で洗い,水を通すほど薄い靴を履かせて,水が靴に入ってくるようにさせない,と薦めている。「そうすることは清潔にするために好ましいことです」(服部知文訳,以下同)と書いているが,「わたくしの意図していますことは健康です」。ロックは,少年の脚全体を水に浸け,その水をだんだん冷たくしていくと,強固で頑健な体になる,とも述べている。ロックという哲学者は医者でもあったのだが,その論は生理学的というよりは,多分に希望的観測に負っている。それに,古典の教養を身につけてきたものだから,あの大昔の“女々しい温水浴”対“雄々しい冷水浴”の論争もよく知っていて,冷水浴を習慣にしていたホラティウスやセネカといったたくましい男たちの肩を断固としてもったのだ。

キャスリン・アシェンバーグ 鎌田彷月(訳) (2008). 図説 不潔の歴史 原書房 pp.124-125
PR

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]