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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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お変わりありまくり

 よく私たちはしばしば知人と久闊を叙するとき,「お変わりありませんね」などと挨拶を交わすが,半年,あるいは1年ほど会わずにいれば,分子のレベルでは我々はすっかり入れ替わっていて,お変わりありまくりなのである。かつてあなたの一部であった原子や分子はもうすでにあなたの内部には存在しない。
 肉体というものについて,私たちは自らの感覚として,外界と隔てられた個物としての実体があるように感じている。しかし,分子のレベルではその実感はまったく担保されていない。私たち生命体は,たまたまそこに密度が高まっている分子のゆるい「淀み」でしかない。しかも,それは高速で入れ替わっている。この流れ自体が「生きている」ということであり,常に分子を外部から与えないと,出ていく分子との収支が合わなくなる。


福岡伸一 (2007). 生物と無生物のあいだ 講談社 p.162-163.
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