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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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清潔さが強迫観念へ

 あたうかぎり清潔で無臭の世界を描き出すことについては,1920年代が転換期となる。都市圏が拡大し,人だらけの会社や工場で他人と近い距離で仕事をするようになると,困ったことに自分や他人の体臭が気になってくる。労働という世界に女性も進出するようになると,このにおいに敏感になるという新しい習性に拍車がかかる。最初は19世紀末のヨーロッパにそろそろと現れだした,潔癖なほど清潔かどうかという心配は,アメリカでは強迫観念になった。同時に,経済の繁栄は最高潮に達した。人々には,まったく無臭の場所で暮らせるようにしてくれる商品を買える余裕があり,その安全な場所では誰も人の気分を「害し」も「害され」もしなかった。

キャスリン・アシェンバーグ 鎌田彷月(訳) (2008). 図説 不潔の歴史 原書房 pp.232-233
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