ホーダーの家の状態からは,彼らが完璧主義者だとは想像しにくいが,失敗することへの強い恐怖は,ホーダーの間で広く見られる特徴だ。たとえば,私たちの患者の1人は,古新聞の束を美しく束ねてきちんと重さを計測してからでなければリサイクルに出せなかったが,それは回収業者から文句を言われたくないからだった。別のホーダーは,鍵を見つけてからでなくては古いスーツケースを捨てられなかった。「全部がそろっていないと,正しくないの」彼女たちのように,ホーダーの多くは,些細な間違いを大失敗ととらえてしまう。私たちはちょっとした失敗をしても,人間なのだから仕方ないと考え,自分を責めたりはしないが,ホーダーの多くは違うのだ。
ランディ・O・フロスト ゲイル・スティケティー 春日井晶子(訳) (2012). ホーダー:捨てられない・片付けられない病 日経ナショナルジオグラフィック社 pp.141
(Frost, R. O. & Steketee, G. (2010). Stuff Boston: Houghton Mifflin Harcourt)
PR