老年学は高齢化とそれに伴う問題を研究する分野だ。そこでは,ガラクタを集めることが「シロゴマニア(Syllogomania)」と呼ばれている。(syllogeはギリシア語で「集めること」の意)シロゴマニアは,高齢者のセルフネグレクト(自己放任)や,自分の世話をしなかったり,極端に不衛生な環境で暮らしていたりする場合の指標として広く使われている。1960年代初めには,2人の英国人老年学者が,「老人破綻症候群」と呼ぶ72件の事例を挙げて検証している。この症候群の最大の特徴は高齢者のみに見られることであり,個人の衛生状態や生活環境の極端な悪化が見られ,敵意,孤立,外の世界の拒絶を伴うことも多い。これらの症候群の一般的な特徴がシロゴマニアである。
ランディ・O・フロスト ゲイル・スティケティー 春日井晶子(訳) (2012). ホーダー:捨てられない・片付けられない病 日経ナショナルジオグラフィック社 pp.226-227
(Frost, R. O. & Steketee, G. (2010). Stuff Boston: Houghton Mifflin Harcourt)
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