私達は最近,ホーダーの家庭に育ったことで辛い結果を見ることになったホーダーの家族について調査した。すると,ホーダー家庭の影響は,ホーダーが始まった時点で子供が何歳だったかによって異なることがわかった。10歳以前からホーダー家庭で暮らした子供では,10歳以降に家族のホーディング行動が始まった家庭の子供よりも,困惑や不幸感が強く,家に呼ぶ友達の数はより少なく,成長過程での両親との関係がより険悪だった。大人になって,彼らは社会的不安やストレスをより強く感じ,両親との間も険悪なままであることが多い。幼い頃にガラクタに囲まれて暮らした子供たちが親に抱く嫌悪感や拒否感は,その頃にはまだホーディング行動が始まっていなかった子供たちに比べて強い。とはいえ後者も,他の深刻な精神病患者のいる家庭で育った子供と比べると,親に対して抱く敵意ははるかに強いのである。ホーディングによる悪影響は,子どもたちに生涯ついて回ることも多い。
ランディ・O・フロスト ゲイル・スティケティー 春日井晶子(訳) (2012). ホーダー:捨てられない・片付けられない病 日経ナショナルジオグラフィック社 pp.290
(Frost, R. O. & Steketee, G. (2010). Stuff Boston: Houghton Mifflin Harcourt)
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