1980年代のはじめに,ユトレヒト大学の心理学者ヘンドリック・ベーレンカンとシーボ・スカウテンは,オランダの有名な占い師12名の超能力を5年がかりで調べた。
2人は占い師1人1人を,年に数回ずつ自宅に訪ねた(はたして彼らの訪問を,占い師は予知しただろうか)。そして占い師が知らない人物の写真を見せ,その人物について何が見えるか訊ねた。そのかたわら対照グループとして,自分に超能力があると思っていない被験者を無作為に選び,まったく同じことをしてもらった。そのようにして集めた1万種の占いの結果を記録し分析してみると,占い師が正解した割合は,占い師ではない対照グループがまぐれで当てた割合以上にならず,どちらのグループも正解率が低かった。
こうした結果は例外的なものではなく,ごく一般的である。
リチャード・ワイズマン 木村博江(訳) (2012). 超常現象の科学:なぜ人は幽霊が見えるのか 文藝春秋 pp.26-27
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