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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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眠りの間

 脳のからくりは,あなたに幽霊の残像を見たと思い込ませることもあれば,邪悪なものと遭遇したと思わせることもある。睡眠の第1段階からレム段階へと移行するあいだに脳が混乱し,第1段階の半睡半醒時の幻覚,性的興奮状態,レム段階の麻痺状態を同時に体験する場合があるのだ。この恐るべき組合せの結果,あなたは重いものが自分の胸の上に乗って動けなくなったように思い,邪悪な存在を感じる(それが見えるように思う場合もある)。そして,自分が奇妙な性交をおこなっているような感覚を抱く。
 何世紀も前から,自分が悪魔や異星人に襲われたと思い込む人はかなりいた。睡眠学者は,こうした体験の裏にある真実を解き明かしたと同時に,あなたの寝室から邪悪なものを追い払う最良の方法も見つけだした。当然のことながら,その方法は祈祷を唱えたり,聖水を撒いたり,大がかりな悪魔払いをおこなったりすることではない。じつのところ,方法はいたって簡単である。指を屈伸させるか,まばたきをするだけでいいのだ。ちょっとでも体を動かせば,あなたの脳はレム状態から睡眠の第1段階へ切り替わる。そしてあっという間にあなたははっきり目覚め,現実の世界へぶじもどることができる。

リチャード・ワイズマン 木村博江(訳) (2012). 超常現象の科学:なぜ人は幽霊が見えるのか 文藝春秋 pp.190
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