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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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いじめの言い訳

 自分のやったイジメ行為への批判を「なんでもないこと」にするために,いじめっ子はしばしば,次のようなパターンのイイワケを好んで使う。

1.「いじめの事実を否定する」
 これはいじめじゃなくて,単なる遊びやふざけ。だからたいしたものじゃない。ちょっといきすぎたかもしれないけれど,騒ぐほどのものじゃない。

2.「いじめられっ子のせいにする」
 いじめられっ子こそ悪い。性格が悪く,ウソもつき,周囲を嫌な気持ちにさせているのだから,これは受けて当然の攻撃であり,制裁。いじめではないし,むしろ相手のため。

3.「逆ギレする」
 なんの筋合いがあって説教できるのか。あなたの言うとおりにする必要はない。善人ぶっているけれど,あなただって人間なんだし,悪いことをまったくしていないわけじゃない。完璧な人などいないのだから,叱る資格なんてない。

4.「自分の責任を否定する」
 自分は,そそのかされたり,強要されたりと,やむをえずいじめの状況に巻き込まれただけ。やりたくてやったわけではないし,自分には責任がない。

5.「自分たちだけのオキテを主張する」
 自分はあくまで,仲間内で決めたオキテにしたがっているだけ。リーダーやみんなの気持ちにしたがっているのだから,自分には責任がない。みんなで決めたことなんだから,当然の仕打ち。

 こうしたイイワケを使うと,あたかもいじめを「良いこと」であるかのように偽ることができるし,自分が傷つかなくてすむ。うしろめたさを感じることなく,いじめを楽しむことができてしまうんだ。

内藤朝雄・荻上チキ (2010). いじめの直し方 朝日新聞出版 pp.53-55
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