応募かスカウトか,AV女優になったキッカケで女性の性格傾向も分かれる。スカウト女性は外見のレベルは高いが時間やお金にうるさい,応募女性はやる気があってセックス好きで撮影はしやすいがルックスがイマイチ,というのが大まかな見方である。
スカウトマンは人通りの多い繁華街で,歩いている女性に声をかけて勧誘するのが一般的。いきなり声をかけられた女性が立ち止まる理由は「お金」が筆頭だが,「有名になれるかも」「自分をわかってくれるかも」「認めてもらえるかも」などの承認欲求も無視できない。若い女性たちを中心に,誰かに認めてもらいたいという欲求は年々大きくなり,AVに出演したり,風俗でカラダを売ってお金というかたちで評価をされたりすることで,「初めて誰かに認めてもらえた」と満足する女性は多い。数年前までのスカウトが主流だった時代はAV女優に精神的に病んでいる女性や,芸能人になりたい非現実的な願望を持っている田舎女性が多かったが,それはスカウトマンに声をかけられて立ち止まるという行為が,誰にもわかってもらえない淋しさや孤独,承認欲求の表れであったといえる。
中村淳彦 (2012). 職業としてのAV女優 幻冬舎 pp.66-67
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